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橙色


 すっかり変わってしまった町並み。変わらない高圧線の鉄塔が、そぐわない夕景にただそびえ立って見えた。

 信号で停まったとき。鮮烈なオレンジ色の光が、高層マンションの向こう側から伸びてきた。かつてここにあったのは、小さな町工場と、路地に沿って建つ平屋の住居。

 昭和天皇が崩御された時には、まだ相模原のマンションに住んでいた。規則正しく並べられた、コンクリート製のカステラのような5階建て公団住宅は、ごく身近な風景の一部だった。

 年が明ければ平成30年。すぐにここの景色にも慣れ、もとあった風景は記憶から薄れ、どんどんと色褪せていくのだろう。

 交差点を左折すると、箱根山の上空にかろうじてそれとわかる不確かさで、ぽっかりと月が浮かんでいた。月齢13,3。ほどなく満月だ。


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(※本日のBGM:「五番街のマリーへ」高橋真梨子/もうアルバムの定番になっているみたいです)


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(※柿をたくさん取っていただきました。Hさんお父上様、ありがとうございました)
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